職業の辞書での意味は「日常従事する業務.生計を立てるための仕事」のことであるが,
私にとって職業とは何だろうか.
自分にとって職業という言葉のイメージに大きな影響を与えているのは,やはり父の存在である.
父はガス会社に勤めており,毎日夜遅くまで仕事をして帰ってくる.
そんな父は,自分の仕事の話を決して私達子供らにはしない.
どんなことがあっても喜びもみせないし,愚痴ることもない.
私はそれを,自分の仕事なのだから自分で解決するという父の強い意志なのだと思っている.
けれども,過去ごく稀に,父が自分の仕事について話すことがあった.
その時の父の姿はとても輝いていた.
父が自分の仕事に生き甲斐を持っていることも,今の仕事が楽しくて仕方がないことも自ずと伝わる.
いつもの家庭での権力を母に取られてしまったように見えるどことなく弱い父の姿はなく,
たくましくできる男の姿があった.
私は職業について考えるとき,それがその人自身にふさわしいものであれば職業は
その人を輝かせて見せてくれるものだと考える.
職業は収入や知名度の問題より,むしろそれを生きがいに頑張っていけるか,
本当に自分に合ったものなのかで判断すべきた.
そうすることによって,今まで見えてこなかったものが見えるなど
人生を良い意味で大きく変えることの出来る最大のチャンスだとも考えている.
秋田雅俊.
(大学2年時の講義で提出したレポートより)