10秒台で走るための練習法。

速く走るには・・・この練習をやったら10秒台、10秒前半が絶対に出せる
という絶対的な練習法は存在しないのかもしれない。
実際に、今日、日本人で9秒台で走れる人はいないので、
日本人がこの練習をすれば9秒台が出せるよという練習法はないことになる。

私は、真剣に練習すれば、練習内容に関わらず絶対に結果はついてくると思っている。
100mランナーの最大の目標は皆同じで、速く走れるようになること。
練習方法はその目標に向けてのただのアプローチの違いにすぎない。

最も大切なのは、本人のモチベーションとモチベーションキープ力ではないか。
けれども、そう考えつつ、今年の冬はアプローチについて深く考えてきた。
これまでの練習方法には何が欠けていて、どう改善していけば良いのか。
一番手っ取り早く、確実な方法はないのだろうか。

ある資料や信頼できる実績を持った知人の助言などもあって、
「冬季中もスピードトレーニング」という無謀とも思える練習方法に行き着いた。
当然シーズンが始まってからも、徹底したスピードトレーニング。
年を通して練習メニューは大きく変わらない。質や量の変化は十分にありえるが。

これまで練習で100mのタイムを計ることは滅多になかったが、今年は違う。
ほとんど全ての練習をタイム計測し、練習日誌をつけ、管理した。
そのタイムを出した時の感覚、体調、筋肉の張り具合いなど気付いたことは全てメモした。
全てをメモし、何度も見返し、改善点を探し、それを次の練習で意識して走ってみる。
また記録を取る。
それを繰り返していくうちに、練習での記録は抜群に伸びていった。

去年のシーズン中は大学では11秒1前後でしか走れなかった。
今では10秒6前後で安定している。
何が変わったかというと、走りの感覚、イメージ。
感覚を練習日誌に書き続けることで、それは研ぎ澄まされていった。

まだまだ改善の余地はある。しかも、大量に。
課題がある限り、自分は成長し続けるはずである。
私は、この走りの感覚(イメージ)重視の徹底したスピードトレーニングが、
速く走るための最も手っ取り早いアプローチ法だと信じてやってきた。
自分のやってきたこと、やっていることを信じ抜くことが必ず結果に結びついていく。
今やっている練習に疑問があったり、信じ切れない部分があるのであれば、
練習方法を大きく変えてみるのも手かもしれない。